「マニフェスト・スクール福井」

2009年3月21日の「*マニフェスト・スクール福井」について、私が最前列で取ったノートからどんな内容だったのかを書いてみます。

この講座には、福井県の内外から地方議員やNPOの職員、そして私の様な一般人がごく少数集まりました。

第一講座は、前三重県知事で早稲田大学大学院教授の北川正恭さんによる、「はばたけ!地方政府時代の議員たち」と題する講座でした。

(あくまでも、私が取ったノートから書き起こしたものですので、北川正恭さんの発言として正確なものではないかも知れない事をご了承下さい。)

マニフェストとは「はっきり示す」「はっきり使う」という意味である。
・なので伝票なども「マニフェスト」である。
1884年の「共産党宣言」もマニフェストである。
マニフェストはイギリスの議会制民主主義で発達した。


マニフェストとは「気付きの道具」である。
・議会に「変わる覚悟」を突きつけるものである。
地方自治ローカルマニフェストを推進する。地方もマニフェストを!
・第二講座の松田良昭さんはマニフェストで勝った人。
・福井から地方政府を創造して欲しい。
・全国に地方政治のステークホルダーが居る。


・パーティーマニフェストとは「党のマニフェスト
ローカルマニフェストとは「地方政治のマニフェスト
・「マニフェスト」を「公約」を使って訳すと「政権公約
・なので、イギリス人の目から見ると、日本の「選挙公約」は詐欺とも言える。
・なぜなら、当選しても与党になれなかったら、公約を実行できないから。
・「地盤、看板、カバン」の選挙では、公約なんて嘘である。
・そうではなく、マニフェスト主体の選挙をするべきである。
・後で検証できる約束こそが「マニフェスト」である。


・今まで、日本の政治は「地方はモノを考えるな」だった。
・2000年の「三位一体の改革」での地方分権推進法。
地方分権の意識なくして、ローカルマニフェストなし。
・「地方政府」の確立を!


・国から県への委譲
東ドイツソビエトも無くなったのだから、市町村が無くなる事はわけもない。
・絶対潰れない筈の銀行が潰れたりする時代である。
・国体自治
・県から市への委譲(住民自治
・官から民へ
・「官から民」はすなわち「革命」である。
・国民が立ち上がって勝ち取る改革へ。


・今までの首長は80%のステークホルダーである「国に対して」約束する。
・これからの首長は「国民に対して」約束する。


・これからは町が倒産したら議会が責任を問われる。
・なので、マニフェストは脳から汗を流すくらい考えるべきだ。


・問題が起こった時、県庁はどうするか?


・例えば、厚生労働省は長い事川田龍平さんを「門前払い」してきた。
・しかし、川田さんの訴えは、みんな知っている。
・ネットでインタラクティブに情報が行きかう時代である。
・「隠して先送り」は不可。「公開して解決」するべき。
・「ガバメント」から「ガバナンス」へ。
・「情報公開」は地方経営の必然。


・「廃藩置県」の時に、東京は小さな東京府だった。
・しかし、東京に中央集権して日本は大国になった。
・現在、このままでは50%の人口が首都圏に集中してしまい、地方は過疎化する。
・このままでは、東京・大阪・名古屋だけになってしまう。
・「限界集落」の問題


・公約を主権者に何も約束していない「空約束」にしない為に。


・北海道のえにわ市の中島市議のマニフェスト
・中島市議の対立候補は多くの政党に推薦された前市長という強敵だった
・中島市議は絵本にして文字を大きくして「見て欲しい」という気持ちを出した。


マニフェストは「ウィッシュリスト」ではいけない!
・「選択と集中」を約束するものなのだ!


・組織・団体ではなく、政策の選挙を!


・具体的な政策を書く。
・「子どもの問題を、読書推進で根本解決します。」
・小学生一人が1年に100冊の本を読める環境を整備する。
・「老人会の補助金を全廃して、全額を可愛い孫たちの読書の為に使います。」
・こういう事を、老人会に直接言って、支持を得た。


・「バラマキ」ではなく「約束」
・「お願い」ではなく「約束」


・結局、中島市議は14000票で圧勝。現在は市長になり、議会と戦っている。


・二元代表制とは、首長(知事や市長)と議長(議会)が研鑽して行う政治


・政治のマネジメントサイクルは、マニフェストサイクルであるべき。
・Plan Do Check Action



・今まで地方自治には、
・「自治行政権」だけで「自治財政権」が無かった。「自治立法権」が無かった。
・財政と立法をこなせる地方議員が求められている。
・「馴れ合い」や「俺が決める」ではダメ。
・議会の議員こそが「町の憲法」を作るべき。


地方自治の人事は結構いい加減だった。
・「私(北川氏)の言う事を聞くな。議長の言う事をきけ」で、執行部を育てた。
・こうして「馴れ合い」「利益誘導」を脱した。
・「あそこに無駄がある」と執行部が報告してきた。


・緊張感のある地方政治を!
ドミナント・ロジック(空気よめ)を打破する事。
・今の制度が悪いので、真に国益を考える人なんて居ない。
・今の制度下では、ちゃんと行政で地方を最適化する事ができない。
・ひどい所では、国法に縛られて最適化できない部分さえある。


マニフェストは、官僚の話をまとめただけでは、「できる事」だけになってしまう。
・しかし、「ウィッシュリスト」になってもいけない。


福澤諭吉によると、地権と政権は、条例と法律は対等なものである。


マッカーサー、ドッジ、シャープと、日米関係は変化してきた。


・若者の政治参加の為に、16歳からの選挙権を!


・いつまでも「口利き斡旋」だけの地方自治から脱却しましょう!


・「政策・マニフェストで選ぶ」というのが、アンケートで第一位。
・これからはマニフェストの時代


・日本は民主主義の国家!


・役人が書いた様な、もしくは無責任なマニフェストでは、政権は取れない!


マニフェスト運動をしよう!


・脱中央集権
脱官僚主導(脱守るだけの姿勢)
・脱無党派(脱政治不信)


マニフェストに「夢」を書くなら、達成条件を明確に


・「定額給付金」の「給付金」という言い方は間違っている!
・「給付してやる」になってしまっている。
・私(知事時代の北川氏)は、行政の「管理課」や「指導課」を廃止した。
・課の名称が上から目線になってしまっているから。


マニフェストサイクルと選挙サイクルがあわないと民主主義とはいえない。
・よって、小泉元首相より後の首相たちには意味が無い。
・ねじれ現象を考えると、二院制を見直すべきである。


マニフェスト選挙の為に、Web選挙と選挙前報道を解禁するべきだ。


水戸黄門と遠山の金さんは「官僚」だ。今の法律に照らせば正当性がない。
パナソニックは、そろそろスポンサーを降りるべきだろう(笑)
・イギリスでは、国民の代表であるロビンフットが活躍している。

と、最後の方は、質疑応答のついでに冗談も飛び出す様な、くだけた感じの講義となりました。



第二講座は、前神奈川県議会議長で自民党神奈川県連副会長の松田良昭さんによる、「マニフェスト首長との闘い方」という講座でした。

松田さんは、神奈川県議会の議長として、マニフェスト選挙で高い支持を得た松沢知事と対決した経験から、この講座の講師を務めました。

(殆どが配布された資料をプロジェクターで映しての講義でしたので、ノートに書きとめた事は少ないです。また、私のノートを元にしていますので、これも松田さんの発言として正確かどうかは保証致しかねます。)


・他の人が付けた表題は本当は「マニフェスト首長との戦い方」にしたかった。
・おののきながらやってきたものだから。


・松沢知事の37のマニフェスト


・同じ様にローカルマニフェストが評価された福井と神奈川では反応が異なる。
・福井「政策論議が活発になった。」
・神奈川「知事と議会のダブルスタンダードに困った。」


・知事選では、松沢知事の判りやすいマニフェストに自民は負けっぱなし。
・それを改善する為に、自民の議長である私(松田さん)は、議会改革をした。
・それが、「善政競争」と呼ばれる戦いになった。


・議会局の強化


・議長マニフェスト
・殆どの票が議会信任。マニフェスト効果
・「県民満足度日本一」という標語。
・「商店街活性化条例」
マクドナルド等も商店会費を出せ。


・政策提案条例は、気力(意思)、体力(仲間力)、知力(研究。当局)で作る。


・条例は、義から入るべし、情から入るべからず。


・義という剣をもて。


・知事はマニフェストと現状のどちらが大事か?


・政調費裁判
サヨクの自称「オンブズマン」に苦しめられたので、今は議会決議を徹底している。


・各会派に同化するスタッフを一人ずつ貼り付けた。そして、理によって説得する。


最後に、質疑応答に応える形で、北川さんが、神奈川県政を、下記の様に評しました。


・松沢さんの断固たる決意が、神奈川をマニフェスト型に変えた。
・松沢知事vs松田議長の切磋琢磨になった。
・ミッションオリエンテッドな議論。


第三講座は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の西尾真治さんによる、「会派マニフェストを作ろう!!」という講座でした。


(これもプロジェクターで映しての講義でしたが、手元に資料はもらえなかったので、ノートは多めに取っています。ただし、途中で私がトイレに立ったりしていますので、抜けている部分があります。また、西尾さんの発言を完全に再現したものではない事をお断りします。)


・議会にマニフェストは必要か?
・・公約は必要
・・公約は明確であるべき
・・議員の公約は明確であるべき
・・故に、議会マニフェスト不要論は、議会制の否定になってしまう。
・・・よって、議会にマニフェストは必要である。


・いかに作り、活用するか?
・議会がマニフェストをあまり作っていないのが現実


・議会改革型
・ビジョン政策型


・個人マニフェスト
・会派マニフェスト
・議会全体のマニフェスト

・「行動目標」は、書きやすい。
・政策は「一点突破」「部分提案」「全体提案」の順に難しくなる。


・12分の1以上の数の会派のマニフェストは「提案」になる。


・首長型
・現状分析型


・最近はデザイン性の高いHPやデータ型のモノが増えている。
・最後まで読んで貰う事を主眼に。
NPOに委託するケースもある。


・実現可能なものに精査する。


パブコメなどで、住民を巻き込む。


・見せ方の工夫
・曖昧、判りにくい、多すぎるのは、ダメ。


・HPを活用する。


流山市議会の会派「新世会」のマニフェスト
イギリス労働党マニフェスト作りに学んだ
・「流山ブランド宣言」
・歩くのが楽しい街づくり
・会派で合宿
・全メンバーへの宿題、「政策シート」
マニフェストに優先度をつけた時、市民のアンケートと食い違う事があった。


・執行権の無い議会が、いかにして実現していくかを考える。

・市議会から市長部局に、一般質問は「お願い」、議決は「強制」


・市民とのコミュニケーションによって、目的意識を共有できるのが議会の強み。



民主党の「東京マニフェスト2005」は、HPを活用した好例。
・・冊子とHPのイメージが同じ。
・・HP版には、大量の情報と、リンク先URL
・・冊子もHPも表はシンプルで「続きはwebで」を体現している。
・・「ピープルズコメント」というパブコメを受け付けた。
・・パブコメを反映して、サイトを二回バージョンアップした。


岩手県議会民主党会派のマニフェスト
静岡市「静政会」のマニフェスト(法政大の白鳥教授が協力)
民主党無所属の会さいたま市議団は、YouTubeを活用している。


・会派のHPを作ろう!
・・会派の存在意義を問い直すきっかけ。
・・会派として議論し、結束を固める。
・・会派のメンバーの「強み」を持ち寄る。
・・住民の中に入り込もう。


マニフェストを作って終りではない!
マニフェストを物差しにして、政策をチェックする。
・定期的に検証しよう。


(Q&Aに応える形で)
・ケータイサイトを活用したマニフェストは、まだ無いと思う。

メインブログのお知らせ

現在、こちらのブログは使っておりませんので、下記のブログをご覧下さい。

フィギュア萌え族(仮)犯行説問題ブログ版・サブカル叩き報道を追う
http://blog.goo.ne.jp/kotoba_mamoru

また、更新が止まっていますが、メインサイトは下記です。大き目のコンテンツは下記を使う場合があります。

フィギュア萌え族(仮)犯行説」問題
http://www.geocities.jp/kotoba_mamoru/

ワイドスクランブル「アキバホームレス」報道映像の検証
http://www.geocities.jp/kotoba_mamoru/finger_pointing.html

以上、よろしくお願いします。

2007年5月8日のテレビ朝日ワイドスクランブルで、また若年ホームレスの報道がありました。今度は秋葉原の二人組のホームレスで、やはり店舗から出たゴミ袋からフィギュアやDVD等を回収して、買取り店に売って生活しているとの事。また一人は親切なお婆さんから食べ物を貰ったり、週に一度はネットカフェでゲームをして遊んだりして暮らしているとの事です。「ネットカフェ難民」という言葉でワーキングプアの問題を報道するメディアは多いですが、どういうわけか「ゴミから回収したオタクグッズを転売して暮らすホームレス」については、テ

この特集の取材映像の不審な部分について、私と有志たちで、ネット上での予備調査と、現地取材を行って検証してみました。
下記のリンク先にまとめましたのでご覧下さい。
http://www.geocities.jp/kotoba_mamoru/finger_pointing.html

ここにも要約します。

・そもそも、この様なホームレスを「アサリ屋」と呼ぶ様な表現が、ネット上には全く存在していませんでした。

・「1日目」にシャッターの前でゴミを漁られた店は、リバティー5号店です。フィギュアや商業雑誌を扱っている店ではありません。

・「2日目」の冒頭が「午前9時」というのは大ウソです! 明らかに夕方に撮影されています。

・「2日目午前9時」の「1件目の買取り店」は、ラジオ会館の中という事になりますが、中の映像がありません。

・そもそもラジオ会館のフィギュアや同人誌の店は、午前11時開店です。

・中川さん(仮名)の「生活の拠点」は、東京ドームから半径1km以内にあり、「秋葉原の外れ」ではありません。

・「2日目午後7時」の「2件目の買取り店」は誠文堂書店古本部で、状態の悪い古本でも買い取ってくれる様です。

・「2日目」の夜、「食事もとらずにネットカフェで遊ぶ」というナレーションと映像は少なくとも「編集による演出」です。

・「3日目朝」のお婆さんの差し入れは、松坂屋の「鳥喜」の焼き鳥と「米八」のおこわ。「お弁当の残り」だなんて松坂屋に失礼です。

・収録時期は2007年4月10日(火)以降の雨の無い日だと考えられます。

・全体的に行動やコメントの順序が時系列になっていない疑いが強いです。

これらの事を、多くの検証画像を交えてまとめました。
どうしてテレビ朝日ばかりが、多少の演出を交えてまでして、こういうホームレスの存在を強調するのでしょうか?
テレビ朝日はいったい何がしたいのでしょうか?

テレビ朝日が大阪の「オタクホームレス」を報道した時と同じ様に、「人付き合いが苦手で仕事が続かない」、
「将来を心配する親と衝突して家出をした」という下りは、全て本人ではなく、ナレーターが言っています。
本人があたかも「お婆さんからの支援をあてにして食事を抜いてネットカフェで遊んでいる」かの様に描き、
また、「趣味がそのまま生活に」等と言った「煽り文句」で、取材レポートを面白おかしくしています。

これらは、「若年ホームレス問題は本人の性格に原因があり、自己責任。」とした、3月の「春の乱SP」の構成と酷似
しています。この人物が実在するとしても、本当の問題が報道されたのかについては、甚だしく疑問です。

どの様なオンエアになっても反論できない相手を取材するという事には、より重い責任が伴います。
この番組では、行動やコメントの順序がかなり入れ替えられていますが、正当な理由があるのでしょうか?

結局の処、意味があったのは川村晃司の解説にある様に、「ネットカフェ難民」が「ホームレスの暗数」になった
という指摘くらいです。「ゴミを回収して生活するホームレス」ならば昔から居ましたし、それが若年化して扱う
「ゴミ」が変わったという事には、それが真実なのかはともかくとして、「物珍しさ」以上の意味はありません。

更に言えば、フィギュア等のプラスチックのゴミを分別せずに出した場合、千代田区は回収せずに警告のステッカーを
ゴミ袋に貼ります。扱ってもいない種類の商品が、その店のシャッターの前に、その様な形で捨てられている事は、
極めて不自然なのです。

夕方に撮影された映像を「午前9時」と偽る必要が、どこにあるのでしょうか?
どうして、午前11時開店の店が、わざわざ品物を買い取る為に午前9時に店を開けると思うのでしょうか?

取材映像の中で唯一真実らしい事は、映っていた古書店がゴミとして捨てられているくらいに状態の悪い古本であって
も、買い取っているという事だけです。

テレビ朝日は「オタクのホームレス」というテーマで、3月と4月に大阪日本橋の若年ホームレスについて報道して
いますが、全く同じ様にして、ゴミ袋から回収したフィギュアなどを売却して暮らしている事になっていました。
この時も、店頭に捨てられていたダンボール箱やゴミ袋の中身は、その店がその様な捨て方をするとは考えがたい
様な物ばかりだったのです。

これまで検証してきた様に、テレビ朝日の若年貧困層の取材映像には、いくつもの不審な点があるのです。
ネットカフェ難民」というのは日本テレビが作った造語だと言われています。
テレビ朝日が、「オタクホームレス」、「アサリ屋」と言った造語を連発する背景には、「はじめに概念ありき」
というテレビ報道業界の慣習から来る「焦り」があるのでしょうか?

そして、どうしてテレビ朝日は「ゴミのフィギュアを売って生活する若年ホームレス」という概念にこだわるのでしょうか?
3月以降、若年貧困層の問題について、立て続けに報道してきたテレビ朝日の姿勢が問われます。

マジノートについて

万一、「マジノート」の事を覚えている人が居て、続きを読みたいと思っているのでしたら、下記のURLに掲載していこうと思っています。

http://kotobamamoru.at.webry.info/

では!

高崎女児殺害事件・おかしいぞ「警察・検察・裁判所」

毎日新聞7月16日朝刊より

高崎の小1女児殺害:人形に異常な執着 野木被告、放棄迫られ泣き出す /群馬

 高崎市北久保町の県営住宅で昨年3月、小学1年の女児(当時7歳)が殺害された事件で、強姦(ごうかん)致死、殺人罪に問われた隣人の会社員、野木巨之被告(28)に対する第5回公判被告人質問が15日、前橋地裁高崎支部(大島哲雄裁判長)であった。逮捕時に自宅から押収された「美少女フィギュア(人形)」について検察側に放棄を迫られた野木被告はこれまでの落胆したかのような態度をひょう変させ、「あの子たち(フィギュア)を処分することは、私の子供を殺すかのようなものだ」と激しい泣き声で訴えるなど、人形に対する異常な執着を見せた。
 この日先立って行われた弁護人からの質問に対し、野木被告はか細い声で「自分勝手でひどいことをしてしまった。被害者と遺族に本当に申し訳ないと思っている」と事件に対する謝罪を述べていた。
 ところが、続いて行われた検察側の質問で、検察官に「被告の作った『フィギュア』を被害者の遺族は取り上げたいと言っている。放棄しますか」と迫られると、「端から見れば汚い人形だが、自分を支えてくれた大切なもの」と言って泣き出し、「遺族の気持ちも分かるが、私が(被害者を殺害)してしまったように、相手から大切なものを奪ったら後悔するだろう。そんなことしてほしくない」などと頭を抱えて叫んだ。このやりとりを傍聴していた被害女児の母親は、野木被告の態度に憤った様子で、傍聴席から駆け足で退出した。
 最終的に人形の放棄を承諾した野木被告は「くそっ」と漏らしたままうつむきおえつした。閉廷直前、大島裁判長は「人が命を落とすことの重大性が分かりますか。その人はもう帰ってこないということです」と野木被告を諭した。【木下訓明】

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 野木被告が有罪であるならば、当然、この様な非道な犯罪の罪を償う必要がある。
 ただし、日本国が法治国家である以上、「目には目を歯には歯を」とばかりに、この様な命令を下す事には問題がある。
 確かに、傷害事件で、凶器として使われたナイフ等の没収が判決文に書かれている例は多い。
 しかし、野木被告が集めていたフィギュアは少女を殺害した凶器ではない。
 これでは、公平な審判を下すべき法廷で、検察側の一方的な主張に基づいて、フィギュア趣味が「少女殺しの原因」として扱われた事になってしまう。

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刑法より
(没収)第十九条  次に掲げる物は、没収することができる。
一 犯罪行為を組成した物
二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四 前号に掲げる物の対価として得た物
2 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。

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 いったい被告の人形が上記の何に当てはまるというのか?
 法的拘束力がない以上は任意の要求だったのであるから、弁護側は「応じる必要はない」と助言するべきだった筈である。
 「裁判官の心象」の為に弁護側が廃棄要求を看過したのだとすれば、これは実質的な刑罰である。

 この事件については、野木被告の持ち物として商品の人形を勝手に報道されたボークス社が、報道した日本テレビに抗議して謝罪放送を行わせた経緯がある。
 それにも関わらず、一部の報道、そして大谷昭宏氏が、人形愛好家を少女に対する性犯罪者の予備群として白眼視しているのは、この様な検察の姿勢が背後にあるからという事になる。
 勿論、遺族感情には十分配慮する必要があるが、それは法に基づいて行われる必要がある。

 「ナイフ等の没収」の判例には、刑法にもある様に、暴力を戒める意味で合理性がある。
 しかし、それが「犯行を連想させる犯人の所有物の没収」に拡大されてしまうのだとすれば、それは犯罪者の「財産権」を不当に奪う事に繋がってしまう。

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 実に皮肉な事であるが、大谷昭宏氏は「おかしいぞ警察・検察・裁判所」というシンポジウムを開催し、犯罪者の人権問題や犯罪集団とされる集団へのレッテル貼りの問題に取り組んでいる。


 しかし、おそらく「フィギュアおたく」だけは例外なのだろう。自分の行き過ぎた言動を「レッテル貼り」だとは認めなかったのだから。
 我々は「フィギュアが好き」というだけで、犯罪者未満の扱いをされるべきだと、大谷昭宏氏に主張されてしまっているのである。
 大谷氏には、ご自分が流布した偏見について、報道の場でしっかりと責任を取っていただく必要がある。


 近い将来導入される裁判員制度に対応する為にも、この様な偏見の問題は解決しておかなければならない。
 さもなければ、被告の趣味や風体、宗教、思想・信条と言ったものによって、判決や量刑が大きく左右されてしまう様な民度の低い国に、日本は成り下がってしまうだろう。

(8月1日加筆)

「全面禁止」の理由は「住民の不安」

kotoba_mamoru2005-07-10

NHKニュース7の録画を整理していて気が付いたニュースなのですが、一連のアスベスト健康被害問題を受けて、政府は比較的害が少ないとして特殊な用途に限って許可してきた「白石綿」の使用も禁止する事にしたとの事です。
ところが、このニュースによると、政府が白石綿の使用も禁止する根拠は「住民に不安が広がっている事」らしい…
本来、「科学的に見てどうなのか」とか「白石綿が無いと作れない特殊な製品の有用性」とか「より厳しい被害対策に掛かるコスト」とかと、天秤にかけてから決断するべき事だし、当然そういう考慮の結果として全面禁止になったのだと思いますが、「住民の不安」が理由というのには、一抹の不安を感じました。


何故って、「男性が美少女人形を所有する事」や「アキバ系のファッションの人が街を歩く事」や「暴力をテーマにしたゲームで遊んでいる人が居る事」に対して、「住民の不安」が高まった場合、本当に不安の対象とされた人たちの各種の人権と天秤にかけるなり、不安に繋がった誤解を解く事を試みる為の話し合いの場が設けられたりしてから、「規制」や「禁止」を議論してもらえるのだろうかって事に対してですよ。

<奈良>子どもを守る条例が県議会で可決

<奈良>子どもを守る条例が県議会で可決

(6/30 19:34)

奈良県で、去年の女児誘拐殺人事件を教訓にして、13歳未満の子どもに恐怖心を与えるような声掛けやつきまといを禁止する条例が設けられることになりました。

条例には、全国初となる罰則規定も設けられ、違反者には30万円以下の罰金などが課せられます。また、子どものポルノ映像を所持しているだけでも取り締まりの対象となります。条例は、あす施行され、罰則規定は10月1日から適用されることになります。

http://webnews.asahi.co.jp/abc_2_005_200506304001035.html

別件逮捕等の温床になりそうな予感がする…